相続について
遺産相続において、被相続人が亡くなってから行わなければならないことは多岐にわたります。 相続人同士での問題もできる限り避けたいものです。
この「相続について」では、できる限り円滑円満に”相続”を進めるための方法と流れをわかりやすく順を追って説明いたします。
相続手続きの流れ
相続は「被相続人の死亡」から始まり、その後様々な手続きが必要になります。 遺言書があった場合となかった場合でも異なり、期限が定められた手続きもあるので注意が必要です。 相続の各手続きをフローチャート形式でご説明します。
遺言があったら??
もしも遺言書が見つかった場合は一定の手続きが必要です。
封印のしてある遺言書は裁判所で開封しなければならず、公正証書以外の遺言書は「検認」という手続きを経る必要があります。
■遺言書の検認
検認とは、遺言書の偽造や改ざんを防ぐために家庭裁判所で行う手続きのことです。 相続人に対し遺言の存在と内容を知らせるとともに、遺言書の形状・加除訂正の状態・日付・署名など、内容を明確にします。 遺言書に「こういう内容のことが書いてあります」というのを法的に証明するための手続だと考えてください。 封のある遺言書の開封は、相続人または代理人立ち合いの下で行われます。
ただし、遺言書が公正証書である場合は別です。 この場合、遺言書の原本は公証役場で偽造や改ざんが起こらないように保管されています。 検認は不要です。
法定相続人
「法定相続人」とは、読んで字のごとく「法律で相続の権利を定められたもの」です。 この定められたものには、範囲と順位があります。
◆被相続人(亡くなられた方)の配偶者 被相続人の配偶者は原則、常に法定相続人です。ただし、内縁の妻など、正式に婚姻関係にない者には相続権は認められていません。
◆被相続人の血縁者 被相続人と血縁関係にあるものの内、以下の優先順位が最も高いものが相続の権利を持つことになります。
第一順位 | 被相続人の子供(または代襲者) |
第二順位 | 被相続人の直系尊属(父母、祖父母など)で直近の者 |
第三順位 | 被相続人の兄弟姉妹(または代襲者) |
下記のチャートで、配偶者および血縁者の有無により法定相続人になる者をご説明します。
◆代襲相続 「子が親より先に死亡している」など法定相続人となるべき者が被相続人より先に死亡している時や、相続人が「相続人の欠格自由」もしくは「相続人の廃除」に該当して相続権を失った時にその子供が代わりに相続人となるケースを指します。
法定相続人が被相続人の子供である場合、その権利は孫、ひ孫と下の世代へ代襲されます。被相続人が兄弟姉妹の場合は、その子供までの一世代の代襲に限られています。
◆同時死亡 車に同乗していた夫婦や親子が同時に事故に遭った場合のように、死亡時の前後が不明な時は同時に死亡したものと推定されます。互いに相続権は発生しません。
◆相続人の欠格自由 被相続人や他の相続人を故意に死亡させ処罰を受けた者や、遺言に関して偽造などの著しく不当な干渉を行った者などは相続人となる権利を失います。
◆相続人の廃除 被相続人が生前、推定相続人(後に相続人になる者)から虐待や重大な侮辱、著しい非行を受けた場合、被相続人はその者の相続権を取り上げるよう家庭裁判所に請求することができます。また、遺言によっても廃除を請求することは可能です。
◆養子縁組 養子と、養親およびその血族との間においては、養子縁組の日から血族間におけるのと同一の親族関係を生じます。この親族関係は離縁によって終了します。