Q7 遺言書の内容と異なる遺産分割はできますか?
ANSER
遺言と異なる遺産分割
遺言とは被相続人が亡くなる前の最後の意思表示であり、相続人はこれに束縛されることになります。しかし相続人全員が遺言の内容に反対する場合は、これに束縛される必要はなくなり、相続人の間で協議を行い相続人全員が納得のいく遺産分割を行うことができます。
遺言と異なる遺産分割と遺言執行者との関係
遺言書で遺言執行者が選任されている場合、遺言と異なる遺産分割をするのは問題があります。遺言執行者は相続財産についての管理処分権を有するとともに、遺言内容を実現する義務があるからです。
つまり、遺言執行者は、遺言の内容がしっかり反映されるように行動する責任があります。そして、相続人は遺言執行者の遺言執行を妨げることはできません。
民法上では、相続人全員の合意があったとしても、遺言と異なる遺産分割はできないようにも受け取れます。
しかしながら、このような結論は誰も望むものはなく、理論上の整合性については議論があるものの、結論としては遺言執行者の了承を得たうえで、遺言と異なる遺産分割をすることは許される、と解する見識が有力です。